とりとめもなく

夜だからかな。
夜だからね、とりとめのないことを考えてしまう。
あの子はどうしているのかなとか、ああ、生きていくのは億劫だなあとか、働きたくないとか、他人と関わるのが怖いだとか。
夜、眠るとき、このまま朝が来なければ、目が覚めなければいいのに、なんて思っていること、誰も知らないわけでね。
言わないからだけど。
だって、言っても無駄だから。
無意味に惨めになるだけだから。

私がね、飼い犬に入れ込むのは、何でも受け入れてくれるからだと思うの。
どんなに駄目でも、ろくでなしでも、みっともなくても、嫌いだとは言わない。
いらないなんて言わない。
どんなときだって、必要としてくれるの。
慰めてくれるわけじゃないけれど、黙って寄り添ってくれる。
害にしかならない連中とは違うのよ。
私を痰壺にして、サンドバッグにして、足拭きマットにして、惨めにさせるだけの連中とは違う。
あなたたちとは違うんです。