知りたくなかった

知らないものが怖かった。
理解できないものは嫌いだった。
知れば、恐れを克服できると信じていた。
知ることで新たな恐れが生まれることもあるのだと知った。
知らないことも、知ることも怖い。
本当は、何も知らないほうが幸せなのかもしれない。
知らないことを知って、それが不都合な事実だとしても、知ってよかったと思えるほど、自分は強いと思っていた。
ただの思い上がりだった。
何も知らないままでいられたらよかった。
ああ、馬鹿らしい。