商売上手
近場のペットショップへお出かけ。
知人が一目惚れした仔犬がいるそうで、その犬を見に。ついでに、ちょっとお買い物も。
着いてみると、世の学生たちは春休み真っ只中だからか、家族連れの多いこと。
店員さんいわく、今の時期は生体の入れ替わりが激しいらしい。
ショーケースを見ていたら、同じ犬種でも30万近く売値に差のある犬がいて、ちょっと切ない。
確かに、お高い子はその犬種らしさというか、スタンダードな特徴が素人目にもよくわかる。目鼻立ちもいいし。
でもなあ……何と言うか、うん、悶々とする。
私の犬はバナナの叩き売り状態だったから、余計に気になるのかもしれない。
なんやかんやあって。
店員さんの強い後押しもあり、知人は目当ての仔犬を迎えることに。
それにしても、担当の店員さん、店長さんのセールストークとリップサービスの上手いこと上手いこと。
ポンポンポンポン淀みなく、幾分例えが悪いけれど、訪問販売のセールスマンさながら。
セールスマンの口車に乗せられて、高額な羽毛布団やら何やらを買ってしまう高齢者の気持ちが、少しだけ分かった気がした。
ぼうっとしていたら最大限有料サービスを組み込まれて、どんどん代金を吊り上げられてしまいそう。
押し付けがましいというわけではないのだけれど、自然に乗せてくるのよね。
すっかり会話の主導権というか、流れを掴まれていて。
本当、店員さん凄い。
知人が新しく仔犬を迎え入れたのを見て、うちにも弟犬か、妹犬がほしくなってきた。